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奇想天外夢体験記 管理人の夢体験 もうひとつの世界の記録
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第一話 杉の木の精霊 私の住んでいるところは古くからの農村地帯であり、そのためか非常に地域社会色の濃いところで、特に土地、家の関係については非常にナーバスな場所といえるでしょう。 平成12年、年明けに私達は、縁あって家の近くにある比較的広い土地を買いました。 当時、その土地は低地でした。 しかも、前面には、端から端まで数メートルの高さの杉が密生しており、 昼過ぎからやっと陽が当たるため、雨が降ったあとなど しばらくの間、湿地帯になっているような条件の悪い場所でした。 そのせいか、私はあまりそこを買うこと自体、気が進まず、契約が決まったあとも、あまり嬉しいとは思わなかったのです。 それに、その場所は公的な物件であり、取得にあたって煩瑣な手続きが必要でした。 そして、比較的若い年齢の私達が広い土地を取得したということで、近隣の人から見当違いの横槍がはいり、その点でも頭を悩ませることとなりました。 地元の業者に依頼し、埋め立ての重機が入るその前日のことでした。 私には、何となく心に引っかかっていることがありました。 それは、土地の前面に並んで生えている杉の低木郡です。埋めるためには、その古木を全部切ってしまわなければならない。それがどうしてか気になって仕方なかったのです。 私は夫に相談し、自分たちだけでも簡単に地鎮祭をしようと決め、買い物にでかけました。 そして、近くのスーパーマーケットで、粗塩とお酒を買ってきたのです。 夕方、埋め立てる予定の場所に行くと お酒と塩を杉の木々の根元に、たくさんかけてあげたのです。 その3日後のことでしたか、私は不思議な夢をみたのです。 夢の中で、私はその土地の入り口にひとりでたっていました。 昼間のように周りはとても明るい雰囲気でした。 すると土地の奥のほうから、見たことのないとても元気のよさそうな若い男の人が 私の方に駆けよってきます。 着物のような上張りを着ていて、どこにでもいるような、ごく普通の印象の若い人でした。 その人は私に気づくと、ああ、探していた人がここにいた、という感じで、杯をさしだしたのです。私の手をとり杯を握らせると、さあ飲んでください、どうぞ、どうぞと、杯にお神酒を注いでくれました。 それを口に運んだとたん、甘い温感が口の中にパッとひろがりました。 次の瞬間、そのお酒は口の中で実態のないものに昇華してしまったような、何ともいえない不思議な感覚がありました。それは、すごく甘く、温かくて、繊細で、この世のどんな言葉でも表現できない味覚でした。 夢の中なのに味覚と温感がある ! その認識からくる軽いショックで突然私は目が覚めたのです。 ( 時計を見ると、ちょうど夜中の2時ごろだったような気がします。) その夢の出来事は時間にして、数秒くらいのように思えました。 この後、詳細ははぶきますが、私達を悩ませていたいろんな問題が、自分たちが何もしないのに、あとかたもなく、まるで霧がひくように解消してしまいました。 土地の埋め立て当日は、天候もよく首尾よく作業がおわり、 土地の中央部に立っていた防災無線塔も、 騒音が気にならない河川敷に移転する運びとなりました。 依頼した業者が、同時期に、近隣の山で通行路をつくるための工事をしていたため その山土で土地全部がうめられました。 水はけがよく、湿地だった土地は、非常に日当たりが良く 排水性も良い快適な場所に変わってしまいました。 諸々の厄介なことが私たちの意志とは別に解決し、何もかも好都合にはこんでいったのでした。 それにしても、あのときに夢の中であった不思議な青年 その時飲んだお酒の不思議な感覚は今でも忘れることができません。 夢にあらわれたあの人は、杉の木の精だったのかな・・・などと、時々家族で話してみたりしています。 この杉の木は土地の端のほうに、まだ二本だけ残っていて 時々当時の出来事を思い出しながら、他の植物と一緒に水を掛けてあげています。 この体験記は「学研ムー」2003年6月号に掲載されました。 |
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